築35年、そのレトロな廊下をくぐり抜け、使い込まれたペンキ塗りの重い鉄扉を静かに開く・・・その日、僕はうっちゃんに連れられ、とある古いマンションの一室にやって来た。404号室、モザイクタイルにデコラの突板‥時代は高度成長期、僕らがまだ幼さなったころに見た台所、居間が時を止めたかのように佇んでいる。時代に合わなくなった空間、取り残されたデザイン。それらを時代に合わせデザインし直すのが僕の仕事だ。そっと目を閉じ、イメージする。
「生まれ変わった空間に、誰が住まい、そしてそこにどんな暮らしがあるのか？彼（彼女）の職業、年齢、収入は？趣味、趣向は？‥」そして、その人が『一番大切にしている事』にすべての重点を置き、そこからデザインを創造していく。的確にターゲットを絞り、その人が価値を感じないところにはお金を掛けない。
これが僕の考える「リノベーション」だ。今回のコンセプトは「Saltという生き方。」
人生の醍醐味を知り始めた30代、大人の生き方。自分と同じ時代を過ごしたであろうその建物の廊下を抜けドアを開ける。
そこには彼の生き方がある・・・
そして、最後にここに住む事になる住人様へ・・・
この空間が、あなたの更なる生き方へのこだわりをお手伝するものであれば大変嬉しく思います。こだわりのあるモノ選びは、信念のある生き方に通じます。
よく考え、よく学び、よく選び、空間・モノと共に、お互いカッコイイ人生を歩んで行きましょう！